推しが課金舞台の人質になりました

この世の闇をすべて詰め込んだといっても過言ではないくらい関わりたくなかった舞台に最推しが出演しました。

 

 

始まりは9月。

最推しのTwitterが更新されれば通知を受け取る設定にしている私は仕事の昼休憩中に何気なく見たツイートでもうこの世が信じられなくなりました。

 

一番関わってほしくなかった。色んな人を好きになってはいるけど、私の中で一番関わってほしくない人が関わってしまった。

でも好きだから。この目で推しの活躍は見たいから観に行くことは必然だった。でも、これまで見たことない私でも知ってることがあった。

リアルランキングによるNo.1の決定。

観るまではどんなものなのか正直わかってなかった。No.1になったからといってどんな特別なことがあるのかは全然想像がついてなかった。でも、No.1になる可能性はキャスト全員にあるわけで、そうなれば全員No.1になった時のための稽古をするわけで。

そんなの、苦しすぎる。

いつかNo.1になることを夢見て、No.1用の振り・演出・歌詞も覚えて、稽古をして。それが一度も披露できずに終わるなんて、もし推しがそんな状態になったら耐えられない。想像するだけで苦しかった。

しかも、最推しは今まで界隈の舞台にほぼ出ていなく、何よりもファンの年齢層が(恐らく)絶対的に低い。その界隈における強者のオタクがいるとは考えにくい状況だった。即ち、その界隈における圧倒的弱者。何もしないでNo.1になれるわけがない立場だなんてこの舞台の存在を知ってるだけの私でも簡単に予想できた。

 

偶然にも以前企画を立てられた方のブログを読んでいて、他人事ながらに「大変そうだなあ」と思っていました。それと同時にずっと残っていた部分があって、

「企画は立てるなら早いうちからの方がいい。何故なら企画日は取ったもん勝ちだから」

きちんとした引用ではないけど、そんなことが書いてあった。それを覚えていた私は情報解禁からずっと焦ってた。仕事の休憩時間になる度に検索をして他のキャストの動向、そして最推しのファンが誰か動いていないかチェックした。解禁から約7時間。他キャストの企画が動き始めてる中、最推し界隈は全然動いてなかった。

もう限界だった。ここまで待って誰も動いてないなんてもう無理なんじゃないか、と。

もしここで誰も動かず、さらに自分も何もせず、ただ推しの悔しい姿を見ているだけだったとしたらそれで後悔しないのか、と何度も考えました。そして、結局それは「後悔する」という答えしかありませんでした。

 

だから、No.1企画を立てました。

 

立てたからといって何をしたか、とかは本当に何もありません。ただ、私のエゴでNo.1になってほしい日付を決め、Twitterのアカウントを作り、ほんの少し情報をまとめたり流して呼びかけただけです。

結果として沢山の人から賛同してもらえましたし、何よりも、既存のファンだけでなく公演を見てから「No.1になってほしい!」と応援してくださる方もおり、最推しのNo.1の姿を見ることができました。

こうやって公演を通じて誰かをいいな、と思わせる最推しを好きでいてよかった、なんて思ったりもしました。そこも含めて最推しの魅力であり、まだまだ伸びる子だ、と。

(今だから思うけど、これは「初のキャスト全員にNo.1を!」という雰囲気があったからかもしれない)

 

結果的にはよかったです。でも、私はもう関わりたくない一心です。リアルガチランキングだからその高みを目指してるからこそドラマが生まれる、と見たことがありますが、確かにそうかもしれないです。でもそれが作られてるのは全て制作側の都合なんじゃないの?ただの金もうけの道具にされてるんじゃないの?と思ってしまうのです。

勿論利益が出るようにしなければ企業として続いていかないことは重々わかっています。

でも、それでも、私は綺麗な世界を見ていたいのです。誰も傷つかず、幸せでいられる幻想に浸っていたいのです。

 

一度出てしまったから二度三度と出ることは考えられます。もし出るとなったら、嫌だなあ、と思いつつも私は観に行くと思います。そこは最推しが輝く場所だから。やってることはエンターテイメントとしては楽しいかもしれないと正直に思いました。だからこそ行かないという選択肢はないのです。

ただ、「行かない」という選択肢はないとしても次出るとした時にここまでやるか、と言われれば多分やらないと思います。だって何よりもしんどい。発表されてから当日を迎えるまで四六時中考え続けるなんて自分で精神をすり減らしにかかってるのに等しいよ。そんな自殺行為はもうしたくない。

 

綺麗事かもしれないけど、キャストもファンも幸せになれるものがいいです。そういった美しいものを観ていきたいのです。この舞台が好きな人からしたら何甘ったれてんの?とか言われるかもしれないけどそれが私の嗜好だから。自分が苦しいところにわざわざ足を踏み入れたくない、ただそれだけです。

 

…と、ここまで全てが終わる前に書き連ねていたけど、終わって、最推しからの言葉を読んで、色々と思い返してみて、少しは出てくれて良かったかなあ、なんて思ったりした。そして、ここまでしたことは全てが悪いことじゃなかったなあ、とも。私はね、最推しの言葉で救われた。貴方がそう思ってくれるならここまでした甲斐があったと思う。

 

まとまってなんかいないけど、やっぱりもう出て欲しくないよ。ただ、今回は巡り合わせが本当によかっただけ。次もこんな上手くいくとは限らない。だからこそ、これは、この舞台と関わるのは、今だけで十分。何にお金を払ってるのかわからないような気持ちになってまでそこでの幻想は求めてないよ。

勿論、それなりの対価は払うよ。そのエンターテイメントを享受する対価を払わない理由はない。でもこのシステムは絶対に相応の対価にはならないよ。

どうにかしてなくなってくれないかなー